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東京競売ウォッチ

2026年08月11日

第803回 競売で明渡料消えるドミノピザ

 7月29日開札では対象物件数が11件で、前回をさらに下回る少なさであった。しかもこの日は取り下げが4件あり、任意売却での処理が多かったようだ。そんな中で一番人気となったのは西武新宿線「上井草」駅徒歩9分に立地する土地付建物であった。

 敷地は約62坪あり北側で幅員15ⅿの幹線、新青梅街道に間口24mで接している。ロードサイド店舗には適する立地と地形である。敷地上には鉄骨造で築27年の2階建て、延床面積約86坪の建物が建っている。1階はドミノピザの店舗が賃借し営業しており、2階は本物件所有会社の代表者の住まいとして使用されている。

 今般の競売はこの代表者が亡くなり、所有会社の株式を相続する者が無かったためか、債権者申立てによる相続財産清算人を当事者として実施されている。この物件の売却基準価額は8800万円であったが、これに対し入札はこの日最高の23本があり、最高価2億680万円にて不動産会社と見られる法人が競落していった。

 大きな上乗せ率で競落できた背景には、テナント(ドミノピザ)の賃借権が抵当権に後れ、競落人に対抗できないことがあるだろう。ドミノピザは、明渡猶予6か月は得られるものの結果として無償で明渡せねばならない。もし任意売却であれば買主はおそらく多額の明渡料の支出が必要であったと思われる。逆にドミノピザ側は大きな収益機会を失ったことになるだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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