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2018年2月20日

第403回 郊外マンションの駅10分超は人気急減?

 先日レインズデータに基づくデータで目を引くものがあった。それは中古マンションの駅からの距離と専有面積の販売坪単価との関係を地域抜粋し、比較した表であった。

 例えば神奈川県の日吉駅徒歩5分の物件価格(専有面積1坪あたりの単価)を100とすると徒歩10分を超える物件は63に相当しているものの、千葉県の柏駅については徒歩5分の物件価格(同)は47にまで減少する。これから分かるところは沿線や駅によって駅との距離による価格ダメージが大きく相異することである。

 2月8日開札において都営三田線「新高島平」を最寄駅とするマンションが売却基準価額を大きく下回る価格で競落されたのに目を引かれた。その物件は築3年も経過していない新しい物件であったが、駅からは13分の立地にあった。専有面積約8坪の1DKで細長い変形な間取りになっている。築年は新しくとも単身者向けということもあってか駅から遠いのが特に嫌われたのだろうが売却基準価額1670万円に対し、入札はわずか1本に止まり競落価格は売却基準価額にほとんど近い1365万円であった。駅からの距離のマンションの価値に対する影響度合いは近頃高まっているように感じるのである。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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