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東京競売ウォッチ

2009年8月13日

第4回 白金の土地に入札11本,富裕層が競落をリード

 7月23日、東京地裁の売却場はいつもに増して多くの人が集まった。これはこの日の対象物件が多かったことも あるが、初めての入札参加者など、入札参加し始めの方などが多く立会いに来られたことにもよろう。

 開札状況はこの日も落札1物件あたりの入札本数が10本を超え活況であった。相変わらず大量入札物件は好立地、 築浅、低グロスマンションである。

 この日、58本の入札を集めた一番人気物件は丸の内線「中野富士見町」駅徒歩8分に立地する専有面積約17坪の 2LDKのマンションであった。築約9年のまずまず築浅の物件であったが、売却基準価額1,312万円に対し、 その2倍以上である2,700万円にて業者が落札しいった。

 またこの日、都営三田線「白金台」駅徒歩4分に立地する土地付建物も開札となった。土地は南側で幅員4m弱の公道に 面する整形地で約73坪ある。建物は築35年ほど経過した鉄筋コンクリート造3階建てで、延床面積約95坪という内容である。 売却基準価額は1億6,024万円であるが、これに対し入札は11本集まり、最高価2億6,000万円にて個人が落札していった。

 この競落水準は建物評価ゼロとした場合で、1坪単価は356万円であり、これは今年の路線価(1坪約270万円)の1.3倍強、 昨年の路線価(1坪約310万円)の約1.15倍にあたる。

 高グロスの高級住宅地については、競落を個人富裕層がリードしている感がある。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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