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東京競売ウォッチ

2017年8月1日

第379回 人気の田園都市線「三軒茶屋」マンション表面年5%強の落札

 開札対象が直前の取下げ物件が多いこともあり、30件を割り込むという物件量が低下した7月20日の開札であった。その中で一番人気となったのはマンションであり、人気の東急田園都市線「三軒茶屋」駅約5分に立地している。築12年と比較的新しい物件で、専有面積は約7坪1Kである。現在月額賃料は87000円で、単身者が占有している。

 この物件の売却基準価額は1109万円であったが、これに対し、32本の入札が入り、最高価2018万円にて競落されていった。賃料年収は104.4万円であるので、表面年利回り5.17%の競落水準である。この物件の管理費、修繕積立金の合計は10840円、固定資産税等は年54012円なので、実質の手取りは約年86万円となる。これで考えると年約4.26%にまで低下する。しかも取得にあたっては登録免許税、不動産取得税の負担もある。さらには10万円ほどの滞納管理費負担も生ずるので、おそらくは年4%程度であろう。

 競落者はこの物件を再販することが予想されるが、その際販売価格は年利回り4%を優に割り込むであろう。都心の新築マンションの市況が回復してきたとの報道も最近あったが、そんな市況も反映しているのだろうか。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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