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東京競売ウォッチ

2025年03月18日

第736回 崖下土地が大幅改定で大量入札

 土地の価格は、その条件により相場は大幅に違ってくる。特に公図や地積測量図では、土地の高低差は分からず、それだけで相場の判断は難しい。

 2月26日開札で対象となった土地は京浜東北線「十条」駅から徒歩約6分に位置した約60坪の土地であった。この土地の接面道路は西側で幅員約2.5mの公道に面し、北側及び東側で私道に面している。この条件だけ見ると1坪50万円以下ではかなり安い感覚ではあるが、これはあくまで平面的に見た場合である。実際には西側区道は本土地の3~5m上を通っている、つまり本土地は公道から見て崖下の土地なのである。さらに北側・東側の接面私道は階段状になっている。この条件は公図などから見たら理解できない状況である。本土地に建物を建てるとすれば大幅な盛り土や擁壁構築は必定であり、建築コストの算出は大変難儀であるために土地の価格を出すのは容易ではない。

 この土地昨年7月に売却基準価額3853万円で、10月には同じく2698万円で競売に付されたが、応札はゼロであった。そこで今回は大胆な価格見直しが行われた。それはまず正常価格を出すにあたり、公示地価レベルに対し93%の値引きを行い、さらに最後には70%減の市場修正を施したのである。その結果売却基準価額は138万円となった。

 これまでに前回の売却基準価額を約95%もダウンさせて競売に付された事例はこれまで見たことが無い。これほどの価格改定の結果か、入札は19本集まり、最高価700万円にて競落されていった。坪単価12万円未満という低い水準での競落ではあるが、競落者にとってはチャレンジ案件と言えるだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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