リアナビ

スペシャリストの眼

東京競売ウォッチ

2010年4月20日

第38回有名億ションの開札

 4月9日開札での一番人気物件は京王新線「幡ヶ谷」駅徒歩2分に立地する築約12年、専有面積約11坪の1LDKのマンション。総戸数27戸と小ぶりなマンションながら、8階建ての最上階という好条件住戸で、売却基準価額1,059万円のところ、入札61本が集まり最高価2,328万円にて再販業者と思われる会社に落札されていった。

 ちなみに、この物件の占有状況は差押後の現況調査報告書によれば、電気供給が止まっており、占有者が長期不在となっていた。占有権限の放棄とも解釈できる状況である。そんなことも商品化を急ぎたい再販業者の大量を呼び込んだのであろう。

 また、この日は有名億ションの開札もあった。その物件はJR山手線「田町」駅徒歩12分に立地する「芝浦アイランドケープタワー」である。対象は47階(最上階48階)に位置する4LDK+Sで専有面積50坪強の大型住戸である。占有状況は所有者と一部部屋のみを所有者が代表を務める会社が事務所として使用している(全て引渡命令対象である)。

 この物件の売却基準価額は9,129万円であったが、これに対し入札が11本入り、最高価1億2,122万円にて業者が落札していった。

有名かつグレードの高い物件であるが、やはり大きいグロスのマンションであるので、入札数は先の幡ヶ谷の物件より、かなり少なくなっている。高グロス物件の競争は比較的少ないのである。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


BackNumber


Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.