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東京競売ウォッチ

2022年2月22日

第590回 江戸川区の更地が一番人気!!

 このところの大量入札の多くがマンションであるが、2月9日開札では都営新宿線「瑞江」駅徒歩約8分に立地する約20.1坪である。南東側で幅員約6m、北東側で幅員約4mのそれぞれ公道に面しており、整形で且つ平坦な土地である。現状は駐車場として利用されており、商品化するのは早そうだ。

 この土地の正面路線価は1坪97.5万円で相続税評価額は1960万円になるが、売却基準価額は2153万円で相続税評価額の約1割増しの設定になっていた。これに対し入札は36本あり、最高価3827万円にて落札された。競落価格は1坪190万円にあたり、相続税評価額の2倍近い水準である。この土地は用途地域が第1種住居地域であり、容積率が300%ある。

 さらに角地のため建ぺい率が10%増しとなり、70%である。容積率、建ぺい率が大きいことで共同住宅建設も大いに可能であることから競落価格が高水準になったのだろう。ちなみに次順位の入札価格が3549万円であるので、突出した競落価格とは言えない。

 競売では更地が対象となることが比較的少ないこともあって注目され入札本数が多くなったということもあるように思う。ところでこの日は対象物件が30件を割り込み1回の開札としてはかなり少ない。この状況のもと競売事件処理も前倒しされる傾向にあるようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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