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東京競売ウォッチ

2019年6月25日

第467回 実需向け?特売物件売れ100%完売!!

 去る6月6日開札では対象49物件に対し競落48物件と1物件が不売で特別売却に回った。しかし、その1物件も特別売却で入札があり、全て売却されたことになった。その特別売却で売れた最後の1物件は1戸建であった。

 京成金町線「京成金町」駅徒歩約10分に立地する築17年の木造3階建ての1戸建である。土地は有効で約62坪、建物の延床面積は約64坪で5LDKに納戸やトランクルームが付いている。この条件で売却基準価額は6175万円(買受可能価額4940万円)であったが、期間入札では入札が無かった。

 ところでこの一戸建ては幅2.5mの敷地延長の旗竿地で、且つ接道する道路が幅員3.3mの私道の2項道路であるため、カースペースが無い。この地域にしては大きなサイズの1戸建で車が置けないのは商品価値としてかなり弱いだろう。さらに土地を2分割以上にすることも地形から叶わない。それらのことがあって建売業者も仕入れには2の足を踏んだのだろう。こういった物件は、正に実需向きの物件と言える。

 大きい間取りではあるが、袋地に近い立地であり、駐車もできない。また立地からしてシェアハウスの運営などにも無理がある。さらに土地を分割して分譲も不可となれば、実際にこういったサイズの住宅に住みたい家族向け物件と言えよう。幸い建物もまだ十分使用できる状態のようである。実需を背景とした特別売却での競落であったのではないだろうか。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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