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東京競売ウォッチ

2010年3月8日

第32回 マンション買取再販への参入増加

 このところ中古マンションの買取・再販事業への参入、または再開を考える不動産会社が増加しているようだ。これまで開発系の仕事をしていた会社や、不動産ファンドの仕事を主にやっていた会社でも参入してきている。

 それら参入会社の仕入れターゲットは再販価格が5,000万円以下の高グロスでない物件という場合が多いようだ。しかも、住宅ローン対象のファミリーマンションが狙い目と考えている向きが多い。再販リスクを抑えようという意図のようだ。

 さらに、新築マンションの供給が細る中、中古マンション、とりわけ築浅のファミリーマンションの人気が一般市場において高まっていることも、その背景にあるだろう。

 2月26日開札でも、入札30本以上の物件が2物件あったが、そのいずれもがファミリーマンションである。1つ目は京成本線「お花茶屋」駅徒歩8分に立地する築7年で、専有面積22.7坪の3LDKの物件であるが、売却基準価額1,564万円に対し、35本の入札があり、最高価2,812万円で落札されていった。

 もう1つの物件は東武大師線「大師前」駅徒歩8分の3LDK(専有面積約19坪)で、売却基準価額902万円のところ30本の入札があり、最高価1,453万円で落札された。1年前では城東・城北エリア物件には、これほど入札が多くはなかったが、再販価格が高グロスになるのを避ける結果、こういったエリアのマンションへの入札が活発になっているのだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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