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東京競売ウォッチ

2018年7月17日

第422回 湾岸タワーマンションの上乗せ率縮小!!

 7月5日開札では1物件あたりの入札本数が10本を下回り入札の勢いの低下が今回も表れていた。競売市場の収縮もさることながら、不動産市場の好調さに変化が生じている可能性を感じる。

 そんな中この日目を引いた競落結果は、湾岸タワーマンションであった。その物件はJR山手線「品川」駅徒歩約15分に立地する住友不動産が分譲したワールドシティタワーズの1室である。この物件の築年月は平成17年10月で、対象となった部屋は42階建てのうち4階と5階に位置するメゾネットタイプで間取りは1LDK+Sで専有面積は約19.5坪である。所有者居住で再販物件として不動産業者の注目度が高かったと思う。

 しかし、入札は7本に止まり、売却基準価額4120万円に対し、競落価格は4545万円弱であり、売却基準価額に対する上乗せ率は10.3%と低い水準であった。この物件の評価書を見ると、売却基準価額算出にあたり、価格補正として積算価格に対し1.5倍を施している。もしこの価格補正が無ければ、売却基準価額は3000万円くらいであったろうから、そうなると競落価格の上乗せ率は50%にはなったはずである。しかしそれでもピーク時に比すると控えめな上乗せ率に見える。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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