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東京競売ウォッチ

2026年05月12日

第790回 スーパー億ション個人落札

 本欄では昨年12月17日開札で「三田ガーデンヒルズ」が売却基準価額未満で競落されたことを伝えた。当時すでにスーパー億ション市場の変調を反映していたと考えられる。さて、その約4か月後の本年4月22日開札では、JR総武中央線・都営新宿線「市ヶ谷」駅から徒歩約6分に立地する「ローレルコート三番町」の専有面積約34坪の3LDKの部屋が開札対象となった。

 このマンションは築25年であるが、千代田区の中でも得難い立地であり、管理も行き届いた希少性が高いマンションである。このマンション内での競売対象の部屋(所在階14階建11階)の売却基準価額は1億1366万円であったが、これに対し入札は6本入り最高価2億4310万円で個人が落札した。

 落札価格の専有面積坪単価は754万円である。同じマンション内でレインズ上に確認できる現在販売中の部屋は専有面積坪単価1120万円強のものがあり、競落価格は一見市場価格より3割程度割安に見える。売却基準価額の2倍以上の競落価格ではあるが、昨年までであれば、再販業者が今回の競落水準以上でも入札したように思う。

 しかし、今回は個人が落札し、さらに2番手の入札者は入札価格がそれより入札保証金相当額の2273万円強以上低かったようで次順位資格を得ていない。この部屋は最先の賃借権者が占有していることで、再販業者は入札を躊躇った可能性もある。しかしそれでも再販業者のスーパー億ションへの入札の勢いはなくなっているように思う。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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