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東京競売ウォッチ

2026年01月27日

第777回 2026年の競売市場の予測

 先週までの本欄では2回に亘り2025年の総括をしてきたが、それでは2026年はどうなるのか予測してみたい。まずは1月5日号で昨年東京地裁本庁の最後の開札で、都心スーパー億ションの象徴的物件である「三田ガーデンヒルズ」の競落事例を紹介した。短期転売益を求め取得したものの結果的に転売できずに1年未満で競売申立てを受け、入札そして競落となった。その競落価格は売却基準価額未満でほとんど買受可能価額水準にて競落された。入札はその競落者のもの1本のみであった。

 現在都心の高額マンションの中古在庫は多くなっているように思う。レインズを見ると例えば真新しい「麻布台ヒルズ」における坪単価3000万円を優に超える売却物件情報が10物件超登録されているなど、多くのスーパー億ションの転売物件が見られる。これらは多くが金融機関からの短期的な借り入れによって仕入れされているので、売却できず金融機関が資金回収に進めばその一部は競売市場に流れてくるだろう。

 また今年は相続税関連法の改正で、相続財産における不動産の評価を被相続人死亡の5年内までは時価での評価額(おそらくは購入価格を2割程度減じた額)にすることになる見通しである。適用は令和9年1月1日相続発生分からのようである。本年取得した不動産も来年相続が発生すれば新評価基準になる。

 このことは、スーパー億ションを始め高い相続税評価減が得られる都心不動産の需要の減少になるのは間違いない。そして都心マンションを相続税対策抜きの純粋投資目的で買うとした場合、金利上昇局面でもあり、現状の利回りは低すぎる。その面からも需要は低下すると思う。以上から2026年は東京地裁本庁では高額の競売物件が多く見られることになると予想している。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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