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東京競売ウォッチ

2026年07月28日

第801回 対象物件が12件と記録的少なさ

 7月15日開札では対象物件数が12件であった。これは本欄を筆者が担当してからおそらくは最少の件数である。こうなった原因はやはり東京地裁管轄の不動産価格の上昇であろう。特にマンションに関しては都心物件についてはここ20年で価格は2~3倍になっている例も多い。そうなると不動産購入時に利用したローンの返済が滞っても、任意売却をすれば、借り入れ元本は容易に返済できる。

 不良債権の回収は競売にまで進まないし、そもそも不良債権になる前に清算されるのだろう。そんな中、マンションで競売になるのは投資用ワンルーム等の比率が高くなっている。この日マンションの対象物件数は10件であったが、その半分の5件が専有面積30㎡以下のワンルーム等であった。

 さてこの日少ない対象物件の中、21本の入札を集め一番人気であったのは、東武伊勢崎線「梅島」駅徒歩11分に所在する専有面積約19坪の1LDK+サービスルームの部屋であった。このマンションの所有者・債務者は6年前にフラット35の融資利用で購入しており、その際の借入額は約3750万円である。

 今般の売却基準価額は3247万円で、競落価格は4407万円であった。任意売却でも対処できたかもしれないが、都心部に比して値上がり幅が小さいため、結局競売に移行したように思う。これが都心部のマンションであれば価格が2倍以上になっているので、競売前の任意売却で清算できただろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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