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東京競売ウォッチ

2019年5月21日

第462回 江戸川区の一戸建てが一番人気!!

 このところマンション人気が一戸建てを凌いでいるが、4月23日開札での一番人気は一戸建てであった。

 その物件はJR総武本線「小岩」駅徒歩約9分に立地する約47坪で、東側で幅員約8m、北側で幅員約5.5mの公道に面する角地の整形地である。建物は築50年を優に超える古家であり、商品化については更地化が前提だと思われる。

 特に整形地であり江戸川区の1区画70㎡規制を考慮しても2分割しての分譲も可能の土地である。そんなわけで建売業者中心に入札28本が集まった。売却基準価額は4799万円であったが競落されたのは6419万円であった。

 これは1坪単価136万円に相当する。ちなみにこの土地の相続路線価は1坪約93万円なので路線価の約1.5倍の競落である。しかしこの同じ開札日に東急池上線「蓮沼」駅徒歩約6分に立地する古家付の土地約27坪が対象になったが、こちらについては入札2本に止まり売却基準価額1213万円に対し、これを下回る1122万円での落札であった。

 立地としては人気住宅地だが、この土地は敷地延長のいわゆる旗竿地で、敷地延長部分の幅も2m未満の可能性があることから入札が低調だった。道路付条件は評価額以上に人気に差が生じる。さらにこの蓮沼の物件については占有者が氏名不詳という状況であり、その点でも応札が少なかったと思われる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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