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2010年3月15日

第33回 門前仲町の戸建で入札27本

 先週は中古マンションの人気ぶりを紹介したが、一戸建ての方はどうであろうか。

 2月26日開札では、まずは入札27本を集めた一戸建てに目を引かれた。その物件は東西線「門前仲町」駅徒歩1分に立地する、築15年の鉄骨造陸屋根3階建てで、延床面積約41坪の物件である。

 土地はセットバック後、正味約17坪弱で、幅員約2.5mの私道(2項道路)に面している。この条件で売却基準価額は1,991万円であったが、これに対し落札されたのは、その2倍を超える4,216万円であった。この物件を積算的観点から見ると、土地の落札水準は1坪あたり200万円を超えることになる。これは路線価の2倍相当になる。やはり、人気駅の至近の立地であることで希少性が高いのだろう。

 一方、同じ日、収益物件の落札結果で目を引かれたのが同じく東西線「南砂町」駅徒歩12分に立地する1棟マンションである。この物件は借地権付建物で、鉄骨鉄筋コンクリート造の10階建てである。2DK、2LDKがともに7部屋、あと所有者が上階の2層を自用している。この建物全館賃貸運用すると、満室で月額約130万円程度の収入が見込めそうである。地代(月額11万円強)等を控除した見込み年収は約1,400万円である。

 これに対し、売却基準価額は6,290万円であるので、年20%の利回り水準である。やはり投資家の目を引いたか、入札8本で最高価8,528万円にて個人が落札していった。

 この物件は借地権の名義変更料が必要であるが、おそらくは借地(約93坪)の評価からして600万円ぐらいと思われるので、総取得コストは約9,200万円となり、利回りは年15%程度かと思われる。維持管理費や空室率を考慮すればあと1~2%は利回り低下も考えられるが、それでも魅力的な利回りではあろう。

 土地付建物も希少性や収益性が高ければ応札は活発である。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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