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東京競売ウォッチ

2022年4月5日

第596回 足立区戸建が一番人気!!

 マンション人気が高い中、従来マンションより1戸建の価格が高いという常識が変わっている。同じ立地であると床面積あたりの単価がマンションより1戸建の方が安価であるケースが特に東京23区内で多く見られるようになっている。そんな中3月23日開札では東京メトロ千代田線「北千住」駅徒歩約12分に立地する1戸建がこの日一番人気であった。その物件は土地が南側で幅員約5.2mの公道に面する約14坪で、建物は築11年の木造3階建てで総床面積が約23.6坪である。この物件の売却基準価額は2148万円であったが、これに対し36本の入札があり、最高価3871万円で不動産会社が競落していった。

 この競落会社の取得後の再販価格は4000万円台後半から5000万円程度になると思われるが、仮に同じ立地で築15年前後のマンションであると、レインズの成約事例から推して販売価格は1坪単価200万円以上だろう。とすれば総額で4600万円超となる。昨今の競落状況を鑑みると、もしこの物件がマンションであったらおそらくは3871万円を超える競落価格であっただろう。この物件にはカースペースもあり、またマンションと違い管理費等の負担も無いことから購入後のコストは相対的に低い。今後は築浅一戸建については先の例のように多くの入札が集まることであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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