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東京競売ウォッチ

2026年09月01日

第805回 配当要求終期の公告に見る市況転換

 下記の表は東京地裁本庁における今年(2026年)の月別競売の配当要求終期の公告件数である。この公告は「競売の開始決定がなされ、物件が差し押さえられると、この物件の競売で配当を受けたい方はこの日までに要求してください。」と知らせるものだ。

 従ってこの件数は、数か月~1年の競売入札対象物件の先行指数となる。この公告今年5月に27件というこれまで見たことのない少ない数であった。この数字を見たとき不良債権の減少が顕著になり、今年の競売対象物件は300件台にまで減少するのかと感じた。この公告数が少ないということは不良債権物件の任意処理が多いという表れであり、それは不動産市況の好調を意味する。

 ところが6月にはその反動なのか97件と今年一番の数字となり、7月は84件と、それに次ぐ多さであった。早計かもしれないが、今年は後半に入り不動産市況に変化が訪れているように思う。湾岸地域のタワーマンションを中心とした億ションの在庫増加とその滞留がレインズ上でこの春くらいから顕著になった。どうやら一部高額物件への融資の不良債権化し始めた兆しかもしれない。

 この公告が仮に月90~100件程度で今後推移すれば競売対象件数は年間で800件以上ペースになる。それは昨年1年間の数(466件)の約7割増にあたる。今後の推移を注視する必要はあるが、昨今の金利上昇の金融情勢と併せて考えると、今年年末近くには競売件数の増加が見られる可能性がありそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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