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東京競売ウォッチ

2014年1月27日

第262回 2014年の市場分析(中)

 掲載の表1は2013年、2014年の競落結果対比である。表が示すとおり、2014年の対象物件数は対前年(2013年)に比して約25.2%の大幅減少である。一方で落札率は逆に前年比で約0.9ポイント上昇しており、ほぼ期間入札で完売である。また2014年の開札対象物件の種別に目を向けると、表2に示すとおりマンションが2013年より若干割合が下がったものの、およそ3分の2を占めている。特徴的だったのは借地権付建物の割合が全体の6%を超え、ここ数年で最も高い率になったことだ。

 しかも、期間入札で売れ残った物件はわずかに6物件で、競落率は90%を超えた。従来、借地権付建物には入札が集まりづらかったが、競争の激化で、借地権付建物にも多くの入札が集まることになったようだ。

 また、2014年では入札本数が3ケタの物件も登場した。その物件は古家付の土地で、東京メトロ東西線「門前仲町」駅徒歩約4分に立地する。広さは約19坪の公道面の角地で、売却基準価額が1,051万円であった。これに対し入札は109本で競落価格は売却基準価額の4倍を超える4,368万円であった。建売用土地としての落札であると見られるが、かなり強気の入札である。

 このほか、赤坂に立地する区分所有店舗に70本の入札が入るなど、60本を超える大量入札物件は年間計6物件あった。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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