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東京競売ウォッチ

2020年12月29日

第533回 蒲田ワンルームに大量入札!!

 中古マンションの完成在庫が売れ、在庫が減少傾向にある市場では成約価格も上昇し活況と言っていい水準である。新築のワンルームマンションも今年に入り分譲単価は1㎡あたり120万円(1坪約400万円)を超え、1戸あたり3000万円以上という水準に達している。それでも売れ行きは好調と見られるのはやはり金融緩和が続いているからであろう。

 そんな中JR京浜東北線「蒲田」駅徒歩約9分に立地する築17年が経過するワンルームマンションに36本もの入札があった。この物件専有面積6.67坪であり、現在月額9万円にて賃貸されている。管理費・修繕積立金は月額1.4万円弱、年間16万円強で固定資産税等は年4.8万円強である。従って実質収入は年約87万円であるが、これに対し売却基準価額は757万円であった。

 この売却基準価額が水準であれば年10%以上の利回りは達成されるが、実際競落されたのは2166万円であった。これであると年4%程度になり、低く感じるが、驚かされたのは、これを競落したのがワンルーム販売会社であったことである。

 つまり最終的にさらに高価格で投資家に売却されるわけで、いかに投資用ワンルーム市場が活況であるかが分かる。ただ一方で競落会社がワンルーム投資家を広告宣伝などで一定数抱えているから販売が可能であるとの側面もあるように思う。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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