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東京競売ウォッチ

2011年2月14日

第78回高グロス物件に大量入札

 ファミリーマンションへの入札が東京地裁の競売市場をリードしている状況である中、1月27日開札では、港区南青山の高グロス物件に大量入札があったのに目を引かれた。

 その物件は東京メトロ日比谷線「広尾」駅から徒歩約14分に立地する。土地は南東側、幅員約5.2mの公道に面する約60坪で、建物は築21年の鉄筋コンクリート造の3階建て(地下駐車場および4階に階段室等あり)である。1階と2階は賃貸用の1DK、1LDKが計5部屋あり、3階は自宅用となっている。延床面積は約122坪と大きな建物である。全体を賃貸用とすれば、年収1,400万円程度は期待できよう。

 この物件の売却基準価額は1億2,600万円であり、これに対し21本の入札があり、最高価2億5,800万円強にて競落されていった。この金額では、賃貸用とした場合、表面利回り5%程度であることから、ある程度、自宅用としての利用を踏まえての落札水準と思われる。

 またこの日、京浜急行本線「大森町」駅徒歩約4分に立地する高グロスの1棟マンションにも、11本の入札が集まった。

 この物件は土地が北側で幅員約6.2mの公道に面する約185坪で、建物は築30年の鉄筋コンクリート造4階建てで、延床面積約389坪ある。建物は共同住宅を主として、ほかに店舗、事務所から成り立っている。家賃年収は3,000万円ぐらい望めると思われる。

 こういった条件で、売却基準価額は1億7,315万円であったが、結果2億4,241万円で業者に競落されていった。

 以上のような高グロスの物件にも、多くの入札が入る状況になってきたのは、不動産融資の環境に、このところ少し変化が生じてきているのかもしれない。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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