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東京競売ウォッチ

2022年1月18日

第585回 2021年東京地裁競売市場の総括と今後の展望!!

 さて先週に引き続き昨年2021年の東京地裁本庁の競売の総括と2022年の展望を述べたい。先週2021年競落水準が上昇した旨記したが、この状況が過去と比してどの程度のものかを検証するにあたり下記掲載のグラフ1を見て頂きたい。競落1物件当たりの入札本数は21年下期においては15本に迫る数字になっていて、これは2013年末から始まったアベノミクスによる株価高の時期に匹敵するレベルと言える。

 先週も本欄で述べたが政府の金融支援策と日銀の超金融緩和策が引き起こした現象である。ただグラフ1を見る限り競落競争も天井に近いように思える。2022年については、コロナ禍が終息するかどうか不確定要素がある。ただ仮にこれがある程度収まるとすれば、政府の金融支援策終了が考えられ、これによる企業の経営破綻数の増加が予想される。またこれまでの世界的金融緩和により日本を含め世界的にインフレが生じることが考えられる。

 そうなると日銀は金融引締めまではいかずとも「超」が付く金融緩和を見直し、これによる金利の上昇が予想される。金利が上がれば高値で物件を仕入れた不動産会社の換金売りが増え、結果として不動産価格の下落があるだろう。以上のことが起こるとするなら競売対象不動産の減少傾向は終焉するはずである。2022年は競売市場転換の年になるかもしれない


山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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