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東京競売ウォッチ

2018年3月13日

第406回 シェアハウスの破綻競売次々!

 2月22日開札で日暮里舎人ライナー「西新井大師西」駅徒歩約13分に立地する寄宿舎、一般的にはシェアハウスが競売対象になった。平成28年1月築という新しいこの物件は木造3階建で4畳半弱の部屋が15戸、あとは共用トイレとシャワーが各階、キッチン2つという内容である。リビングルームは無くシェアハウスコミュニティーなど期待はできない作りとなっていて、ほとんど空室という状況である。土地は公道面で約32坪あり、売却基準価額は4944万円であった。

 これに対し入札は4本で、最高価6255万円にて落札されていった。収益物件が人気である昨今でもこの立地や間取り、設備では賃貸運用も難しいとの判断があり、少ない入札本数であったのだろう。実はシェアハウスの競売物件は1月23日にも登場している。それは北総開発鉄道「新柴又」駅徒歩約11分に立地し、木造で6部屋から成る。土地は公道面の約40坪で、売却基準価額4716万円であったが、入札7本入り、結果最高値価6000万円で競落された。この物件についてもまだ築3年という新しい物件であるのにもかかわらず競売となっている。所有者は売却基準価額の3倍程度の高値でローン利用にて買わされ、運用難で敢え無く競売になったのである。シェアハウスブームに乗った強引な商法の挙句である。今年はこれからもシェアハウス競売が出てくるだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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