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東京競売ウォッチ

2026年09月08日

第806回 山の手住宅地の高い市場性

 先日の千葉県や東京都内などを襲った豪雨により改めて浸水被害について世間の認識が高まった。かつてなかった集中豪雨は周辺に比し低地である土地のリスクを感じさせたのである。かつての山の手地域はその多くが高い地域と言える。8月26日開札では東急目黒線「大岡山」駅徒歩11分に立地する一戸建てが競売対象となった。

 土地は幅員約4ⅿの公道に北側で面する約31.5坪で、そこに築24年で鉄筋コンクリート造3階建の延べ約43坪の建物が建っている。この土地の正面路線価は坪230万円強であるので土地の相続税評価額は約7300万円である。その物件の売却基準価額は7549万円であったが、これに対し入札はこの日最高の30本が集まり、最高価1億4491万円にて競落されていった。

 仮に建物の評価額をこの競売の評価書による1245万円とすれば土地は1坪約420万円に相当する競落水準であり、相続税路線価の約1.82倍に相当する。競落者は再販業者とみられるが、再販価格では土地は相続税路線価の2倍以上の値付けになるだろう。

 ところでこの物件の所在する目黒区南3丁目は標高約38ⅿと高く、まさに山の手である。水害危険度が低いこの地域はやはり価値が高いことを感じさせる競落結果であった。さらに建物も鉄筋コンクリート造と堅牢で、築年も24年ということで、評価書の評価を超える価値もありそうで一番人気も納得の対象物件であった。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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