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東京競売ウォッチ

2021年7月6日

第559回 台東区入谷のマンションが一番人気!!

 6月23日開札も活況で、100%競落であった。特にマンションの高額競落は続いている。東京地裁では昨今のマンション相場上昇の中、評価書作成時に積算価格を導く際に多くのマンションで価格補正を行っている。これは東京地裁ではマンションについて取引事例比較法によって価格を導くことがないので、それに代えて積算評価額のところで相場の上昇に追いつかせようと行っているものである。

 この日の一番人気は東京メトロ日比谷線「入谷」駅徒歩約4分に立地する築16年を経過した専有面積約20坪の3LDKのマンション。このマンションの売却基準価額は3042万円であったが、これに対し入札は38本あり、最高価5771万円強で落札されていった。売却基準価額に対し90%近い上乗せ率であったが、先に記した市場価格補正を評価段階で50%施した上でのこの上乗せ率であるから驚きである。

 このマンション8年くらい前では専有面積坪単価200万円程度で取引されていた。しかし、今回の競落価格は滞納管理費等(約70万円)などを考慮すると、総取得コストが専有面積坪単価で300万円近い。市場に再販されるときには専有面積坪単価330万円、1㎡あたり100万円程度にはなるだろう。相場はかなり切り上がっていることを実感する。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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