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東京競売ウォッチ

2010年3月1日

第31回亀有のマンションで今年最高の60入札

 2月17日開札は今年最高本数で、昨年11月27日以来の60本の大台の入札を集めた物件があった。

 その物件はファミリータイプマンションで、JR常磐線「亀有」駅徒歩6分に立地し、築15年弱の3LDK、専有面積約21坪である。この物件の売却基準価額は1210万円で、これに対し60本の入札があり、最高価2,456万円にて業者が落札していった。

 滞納管理費が115万円ほどあることを考えると、かなり強気の入札価格には思えるが、この物件が空室であり、商品化までの時間が短いことがここまでの人気に繋がったように思う。

 二番人気もまたファミリーマンションで、西武新宿線「沼袋」駅徒歩10分に立地する築約9年と築浅の専有面積20坪の物件だった。こちらは占有排除にある程度時間を要することが予想される使用借権者(債務者の元妻ら)の占有ということもあってか、入札本数は39本に止まった。

 またこの日、借地権付建物(借地面積約50坪で、その上の戸建てと共同住宅1R×4戸の2棟一括売却)に10本の入札が集まった。2棟とも築23年の木造で、全て賃貸中である。年収は約600万円で、地代(月額51,000円強)を控除すると、540万円ほどである。

 これに対し落札価格は3,333万円であった。落札価格ベースでは年16%強の利回り水準であるが、名義変更料等を考慮すると年15%程度の水準になるように思う。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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