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東京競売ウォッチ

2011年8月30日

第104回人気エリアのマンション

 お盆の週で入札本数がどうなるか注目した8月18日開札であったが、結果多くの入札が集まり、100%の競落率で、むしろ前回開札を上回った。競落1物件当たりの入札本数も12.7本と、前回を上回るというか、震災前の高水準に達した。

 その中で一番人気であったのは築10年強の人気エリア立地のマンションであった。東急田園都市線「池尻大橋」駅徒歩約7分に立地する3LDKで、専有面積約23坪の部屋である。

 売却基準価額2,562万円のところ46本もの入札があり、最高価5,528万円にて落札されていった。

 ちなみにこの部屋、14階建ての最上階に位置し、かつ南面バルコニーに3室が面するという好条件であったことも、大量入札に結びついたと言えるだろう。

 さらに、競売市場に専有面積20坪以上のファミリータイプが少ないとことも、本物件への大量入札の要因かと思われる。

 一方で事務所タイプのマンションの人気はない。

 この日、東京メトロ南北線「本駒込」駅徒歩約7分に立地する総戸数44戸のマンションの2階に位置する事務所、専有面積約15.5坪の部屋が開札対象であった。売却基準価額816万円、専有面積1坪あたり52万円強と、立地に比して割安感があったが、結果は入札総数4本で、最高価が1,034.5万円であった。また、落札者は個人で、次順位はなかった。

 再販業者が手を出せない物件は競争度合いが低い。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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