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東京競売ウォッチ

2014年3月4日

第220回 白山のマンションに入札57本

 2月13日開札では、入札50本以上の物件が3物件あった。いずれもマンションで、最高の入札本数は57本であった。

 その最高入札本数のマンションは都営三田線「白山」駅徒歩約7分に立地する、専有面積約12.5坪の1LDKである。築後3年も経たない新しい物件であるが、滞納管理費等は2年分以上(40万円超)ある。

 この物件の売却基準価額は1,584万円であったが、落札価格は、その2倍に近い3,050万円で、滞納管理費等を考慮すると、競落価格の専有面積坪単価は250万円になる。

 ちなみにこの物件、賃貸にした場合、期待できる賃料は月12万円程度、年収にして145万円程度であろう。ということは、管理費等(月額1.6万円強)および固定資産税等(年額約11.5万円)を差し引いたネット年収は110万円強である。

 したがって、もしこの物件を賃貸運用するとなれば、競落価格ベースで、年利回りは約3.6%と、決して高い水準ではない。

 競落者は再販業者と思われるが、その場合、再販価格は3,300万円以上となるであろう。現在空家状態でもあり、賃貸運用向けではなく、住宅ローンを利用する実需向けの売却になるのであろう。

 また、この日、競落1物件あたりの入札本数が15本を超え、競落競争の激しさはますます顕著になってきている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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