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東京競売ウォッチ

2022年7月26日

第611回 大岡山のマンション坪単価約480万円で落札

 マンション人気の高さが続いているところであるが、好立地物件の専有面積坪単価はその中でも特に際立つ。7月6日開札では、東急目黒線「大岡山」駅徒歩約2分に立地する「パークホームズ大岡山ラヴィアンコート」の専有面積約21.3坪の3LDKの部屋が開札対象になった。築10年のこの物件の売却基準価額は6206万円であった。

 この物件での評価書を見ると、積算手法での算出価格に対し価格補正として50%を上積して売却基準価額を導き出している。現状のマーケットを斟酌しての価格補正で、専有面積坪単価が290万円強となっていたが、これに対し入札は28本あり、最高価1億240万円弱にて競落されていった。競落価格は専有面積坪単価約480万円で、売却基準価額に対する上乗せ率は約65%に上った。

 この水準での落札であると、再販売り出し価格は専有面積坪単価で550万円、総額で1億2000万円にはなりそうだ。レインズの成約データを見るとあり得る価格ではあると思われるが、三井不動産ブランドならではの販売見込み額を前提にした競落価格だと言えよう。ちなみにもし一戸建で築10年くらいの物件を考えてみると、おそらく駅から少し離れたとしてもほぼ同立地且つ同床面積の物件は土地建物総額で1億円前後であろう。好立地築浅マンション価格は一戸建価格を上回る状況である。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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