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東京競売ウォッチ

2024年09月24日

第714回 ワンルームの相場安が顕著な競落結果

 都心マンションの高価格報道が多く見られる中、マンションであればおしなべて高値なのかというと、そうでもない。特に好立地の新耐震基準で建設されたマンションであってもワンルームマンションについてはかなり割安になっている。

 9月11日開札では東急目黒線「大岡山」徒歩12分に立地するワンルームマンションが開札対象であった。このマンションは平成3年4月築の築33年で、古いながら新耐震基準での建設である。専有面積は約5.2坪、売却基準価額は1074万円で、これに対し入札は3本に止まり最高価1081万円で再販業者が競落していった。売却基準価額への上乗せ率はほとんどなく、競落の専有面積坪単価は約207万円である。ちなみに現在このマンションと同じ目黒区の近隣で専有面積約12.3坪の1LDKのマンションが売りに出されている。そしてそのマンションの販売専有面積坪単価は約350万円である。築年は1年だけこのマンションが競落事例マンションより新しいだけだ。このマンションと比べると競落されたマンションは4割程度割安の専有面積坪単価である。また競落されたマンションは現在月額7.6万円で賃貸されており、競落価格は表面年約8.5%で実質では年6%ほどの利回り水準である。これは同じ地域の1棟物件ではありえない高利回りだろう。

 ワンルームマンションがこのように割安なのは、購入時の融資が付きにくいことに原因があると思われるが、現金購入であれば割安で有利な投資対象にも思える。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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