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東京競売ウォッチ

2019年10月1日

第480回 高田馬場の1戸建に入札30本!!

 9月19日開札では好立地の1戸建物件が一番人気となった。その物件は東京メトロ副都心線「西早稲田」駅徒歩約4分に立地する。土地は南西側で幅員4mの公道に面した約18坪で、建物は築7年ほどの木造3階建てで、間取りは5LDK、延床面積は約29坪であった。

 この物件の売却基準価額は3379万円であったが、これに対し入札30本が入り、最高価6470万円弱で競落されていった。競落者は不動産会社と思われ、競落後は占有する所有者を明渡した上、リフォーム後に再販するのだろう。

 ちなみにこの物件の正面路線価は1坪152万円程度である。土地を路線価の2倍近く1坪300万円とし、建物を1坪50万円、総額1450万円で考えると、土地建物合計で6850万円になる。ただ少なくともこの価格の1割以上の再販価格でないと競落会社のマージンは薄いかと思う。

 ただ一方でこの立地で築7年程度のマンションであれば専有面積1坪300万円はするだろう。従って29坪であれば9000万円台となる。それに比すれば競落価格は安い感じもする。都心部ではマンションの方が割高な傾向があるようだ。

 ところでこの物件の所有者のペットの亡骸を安置している他室内に物が散乱している状況だ。そういう状況にあり居住中である所有者は明渡に際してはかなり手強い相手になるかと思われる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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