リアナビ

スペシャリストの眼

東京競売ウォッチ

2026年01月06日

第774回 三田ガーデンヒルズ 売却基準価額以下で応札1本

 都心のスーパー億ションの値上がりはまさに呆気に取られる状況が続いていた。そのスーパー億ションの象徴とも言える物件が「三田ガーデンヒルズ」である。旧逓信省跡地に総戸数1,002戸のマンションが建設された。三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスにより分譲されたこの物件は、販売当初転売目的での購入が多かったようだ。

 現在レインズには130件を超える売却情報が搭載されている。そんな中このマンションのパークマンション棟の4階の専有面積約24坪の部屋(竣工24年12月)が競売対象になった。この部屋の売却基準価額は5億2000万円で専有面積坪単価は2100万円を超える。

 評価書を見ると裁判所のこの部屋の正常価格を6億5000万円としていた。ところが競落結果は最高価4億1834万円強と、売却基準価額を下回り、おおよそその2割引の買受可能価額に近い水準であった。競落したのは再販業者と見られる。

 競落価格の専有面積坪単価は約1740万円であるが、レインズ掲載物件の専有面積坪単価は3000万円前後が多く、それを考えれば破格に安い。この物件は新築で所有者に購入され、抵当権の設定総額は約4億8000万円であるので、定かではないが、分譲当時の価格を下回ったと見られる。どうやらこの三田ガーデンヒルズなどの新築スーパー億ションを材料とした転売ビジネスは限界を迎えたようである。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


BackNumber


Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.