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東京競売ウォッチ

2009年7月20日

第1回 高いマンション人気~4物件が入札40本超

 東京地裁では、相変わらずマンションの人気が高い。7月9日開札で一番人気であった物件もマンションで、 51本もの入札を集めている。その物件はJR常磐線「三河島」駅徒歩7分に立地する専有面積約24坪で、築10年で、 売却基準価額は1,582万円であった。結局、落札されたのは、その2倍近い3,062万円であった。

 この日、この物件のほかにも3物件が入札40本超えであったが、その落札水準の高さには驚かされる。 先の三河島の物件を加えた4物件の平均で、落札価格の売却基準価額に対する上乗せ率は約84%に達している。

 それぞれの物件は築15年以内のファミリーマンションで、空家か、所有者居住で、占有排除がしやすく、再販が早いものである。

 ただ同じ築浅マンションでも、ワンルームはここまで上乗せ率は高くない。この日、JR山手線「大塚」駅徒歩5分に 立地する築2年未満の専有面積約6.2坪のワンルームが売却基準価額963万円のところ、その2割弱の上乗せの1,150万円にて落札されている。 ちなみに、この部屋は月額8.8万円で賃貸中であるが、管理費等および固定資産税等を差し引いたネット収入は年90万円くらいであるので、 年8%弱の水準である。

 また、この物件への入札本数は10本で、上乗せ率とともに、人気のファミリータイプよりかなり少ない。 投資目的のワンルームマンションは現状ファミリータイプのようには再販はしやすくないので、応札する業者が少ないためであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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