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東京競売ウォッチ

2018年7月31日

第424回 下町マンションが高上乗せ率競落!!

 7月5日開札ではタワーマンションの競落水準(競落価格の売却基準価額に対する上乗せ率)が売却基準価額の切り上げもあって低下していることを紹介した。これに対し7月19日開札では下町地域に立地するマンションが高競落水準で競落されたのが目を引いた。その物件はJR総武線「小岩」駅徒歩約11分に立地する専有面積約19坪で間取り2LDK+サービスルームの部屋。築18年で古くは無いが決して足回りが良いとは言えない。

 この物件の売却基準価額は1941万円であったが、これに対し入札は30本集まり、競落価格は上乗せ率60%を超えた3188万円であった。この物件の評価書では20%の市場価格補正が加えられた上でこの水準であったので、立地などを勘案して随分強気の入札と感じた。しかし、このマンション同じ棟内にこの対象となった部屋よりやや狭い間取りの部屋が4000万円近くで売り出されいる。専有面積坪単価にして220万円を超える価格である。

 こういった値付けから考えると今般の競落価格は不思議ではないように思える。都心型新築マンションが価格上昇し、相対的に下町や郊外物件の価格底上げに結びついているように思う。購入時に利用できるフラット35などの長期ローンが下町マンションの価格を支えている側面もあろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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