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東京競売ウォッチ

2017年5月9日

第367回 浅草橋と若松河田で競落比較

 昨年上場企業の倒産がゼロであったとの報道があった。景気は良いようであるが、一部高額マンションの売れ行き鈍化で、踊り場を指摘する声もある。

 しかし、そんな中4月13日開札では都営浅草線「浅草橋」駅徒歩約6分に立地する築11年の専有面積約21坪の3LDKのマンションに大量35本の入札が集まった。売却基準価額は2078万円であったが、競落価格は、その約2.3倍の4730万円弱であった。なおこのマンション延滞管理費が65万円程度あるので、競落者の取得コストは登録免許税、不動産取得税などを入れて約4900万円程度となろう。かなりの高水準落札かと思う。

 一方で4月11日に東京国税局の公売の開札があり、都営地下鉄大江戸線「若松河田」駅徒歩約8分に立地するマンションが対象になった。築16年の専有面積約32坪のメゾネットタイプ3LDKである。こちらは見積価額(最低売却価格)5360万円に対し約19%上乗せの6400万円弱で競落されていった。滞納管理費等が700万円程度あるので総コストとしては7100万円程度であるが、競売よりはやや割安な感じはする。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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