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東京競売ウォッチ

2012年12月11日

第161回 好立地・築浅マンション

 中古住宅の取引が活発化してきているようだ。とくに、中古マンションについては、新築物件の供給地域が限られることもあって、好立地の物件の人気が高いと言われる。

 11月22日開札での1番人気は東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅徒歩約5分に立地する築12年のマンションであった。ちなみにこの物件、桜の名所で有名な「播磨坂」に面しており、おそらく当該部屋から桜並木が臨めるであろう。専有面積は約18.5坪で、2LDKの間取りで、売却基準価額は2,254万円であった。

 結果は入札が46本集まり、最高価4,256万円強で再販業者が落札していった。売却基準価額の約1.9倍という高水準の落札でも採算が取れるとの判断なのであろう。

 確かに、このマンションの他の部屋が今年1月に成約しており、その際の成約坪単価は300万円強であった。先の部屋が仮に同坪単価で成約すれば、再販価格5,550万円が見込め、粗利が20%程度確保可能ということになる。住戸条件の違いがあるとして、1割程度低い水準で成約されたとしても、まだ十分利益は望めよう。

 この日の2番人気(入札34本)も、築浅(築7年)の好立地(中野)のマンションで、こちらは売却基準価額の2倍以上で落札された。

 好立地、築浅マンションは、活発化する市場を背景に高い水準で競落されている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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