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2022年9月6日

第616回 大使館敷地の分譲マンションが高上乗せ率競落

 平成バブル期(1986年)に分譲・建設された「ディアホームズ三田」は鹿島建設が施工、分譲した高級マンションで、現在ヴィンテージマンションとして扱われている。7月21日開札ではこのマンションの3階部分専有面積71坪の3LDKの部屋(約3坪の区分倉庫付)が競売対象となった。

 このマンション、敷地の権利は地上権で、地主はイタリア国という変わったマンションである。地目は大使館敷地となっており、イタリア大使館の敷地の一部に建っていることになる。地代は敷地の固定資産税等を区分所有者で持分割合によって負担するというもので、所有権と特にコストは変わらない。

 地上権であるので更新料などは無く、地上権の登記もなされ、建物と一体化している。分譲当時実質的にはイタリアから土地を購入したのであろうが、所有権移転登記がイタリアから何等かの理由で行えず地上権になったと考えられる。そんな状況であることから市場相場は所有権とあまり相違がないと思われる。しかしこの物件の評価書においては、敷地評価にあたって地上権割合80%として計算されている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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