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東京競売ウォッチ

2022年10月18日

第621回 駅前マンションが一番人気で個人落札

 中古マンション人気が相変わらずである。マンションについては1Rを除いて多くが再販業者の入札である。しかし最近は個人の入札も散見されるようになってきている。9月29日開札でも1R以外での3件のマンションが個人落札であった。

 そのうち1件はこの日の一番人気であった。その物件は都営三田線「西台」駅徒歩1分のほぼ駅前立地のマンションであった。築17年で専有面積約17坪の2LDK の部屋で、所有者居住であり、売却基準価額は2762万円であった。これに対しこの日の最多入札本数35本が集まり、最高価3552万円にて個人により競落された。

 この対象物件と同じマンションのレインズ(流通機構)の成約登録を見ると、今年4月の成約事例で坪単価は1坪180万円強である。その成約事例は床面積が70㎡超の部屋ではあるので単純には比較できない。しかし先の競落では坪単価が200万円を超えているわけで、高水準であることは間違いない。競落個人の入札価格に再販業者も付いて来られなかったのだろう。

 ところで東京カンテイの直近のデータでは東京の中古マンションで一部賃料や売り出し価格に下方調整が見られるようだ。こういった情報から再販業者に入札価格設定に慎重な動きがあるのかもしれない。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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