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東京競売ウォッチ

2026年02月03日

第778回 再開発タワーマンション地権者権利の競売

 都心の新築マンションが転売目的で購入されるケースが多いことは周知である。しかし、再開発地域の地権者の権利(再開発組合の組合員たる地位)の売買は一般市場ではなかなか見られない。1月21日開札で38本の入札を集め一番人気だったのが、まさにそれであった。

 競売対象は土地(共有持ち分)であるが、それは2027年3月竣工予定のタワーマンション1室に将来転換される。つまり将来完成するマンション(THE TOYOMI TOWER MARINE&SKY)の競売である。そのマンションは都営大江戸線「勝どき」駅徒歩約9分に立地する54階建てのタワーマンションの17階に位置する専有面積約25坪の3LDKの部屋である。

 この競売対象の売却基準価額は 9016万円であったが、競落金額は1億7010万円強であった。この金額は専有面積坪単価で約680万円になるが、この同じマンション名の別棟で先行して売り出されている部屋はおおよそ専有面積坪単価1000万円程度と見られるので、現相場では3割引程度の水準と言えよう。

 さらに予定ではあるが完成時に交付精算金約108万円が受け取れる権利も付随する。新築マンションの申し込みよりさらに早期の購入なので将来の相場の先読みからの逆算にて入札価格が決められたのだろう。まさにマンション版の先物取引と言える。それが一番人気であったことは興味深い。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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