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東京競売ウォッチ

2026年04月07日

第786回 世田谷の戸建てに46%強の 上乗せ競落

 東京23区内のマンション価格の高騰は、住宅購入希望世帯にとってはもはや購入断念のレベルになっている。ただマンション価格に比してむしろ一戸建ての方が割安という地域もあって、マンションに代わり戸建てに住宅購入希望世帯が関心を寄せる場合も生じている。

 3月11日開札では世田谷区深沢3丁目の一戸建てが対象になった。最寄り駅は東急大井町線「尾山台」駅で当該駅から徒歩約14分に立地する。この一戸建ての敷地は北側で私道(42条1項5号、位置指定道路)に面していて、宅地部分の実質面積は約51坪である。そこに築12年の木造2階建てで、延べ床面積約34坪の建物が建っている。

 接面道路の私道には相続税路線価はふられていないが、固定資産税路線価は1坪約134万円となっている。ここからこの土地の地価公示価格水準の土地価格を推測するために先の固定資産税評価額を0.6で割ると1坪約223万円になる。実勢価格をこの地価公示水準の2割増しと考えると1坪約267万円、土地全体で1億4000万円弱になる。これに建物評価(約1500万円)を加えて1億5500万円の流通想定価格が算出される。

 そんな戸建てであるが結果は売却基準価額1億2360万円に対し入札20本が入り、最高価1億5000万円強で不動産会社に競落された。先に試算した流通想定価格とほぼ同じであるが、再販されるのはおそらく1億8000万円~2億円であろう。高価格かとも思われるが、マンションであれば専有面積34坪でこの地域では築30年でも1億5000万円では値付けされるだろう。戸建て選択が増すのは理解できる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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