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東京競売ウォッチ

2014年1月28日

第215回 2013年の競売市場分析(中)

 掲載の表は2012年、2013年の競落結果対比である。表が示すとおり、13年の対象物件数は対前年(12年)に比して約12.2%減少しているが、落札率は逆に前年比で約1.3ポイント上昇しており、競争の激しさがわかる。とくに対象物件数が少なくなっているにもかかわらず、入札10本以上の物件が、25%以上も増加していることも競争激化の表れと言えよう。


 2013年の特徴としては、対象物件のうちマンションの占める割合が増加したこともある。昨年比で3ポイント以上、マンションのシェアが上昇し、全体の約7割がマンションであった。そして、マンションの競落競争は2013年後半になるほど激化していった。

 11月8日開札では、売却基準価額の2倍を超えるマンションが10物件あり、その中には駅から徒歩18分という足回りの悪い物件も含まれていた。

 また、東日本大震災後しばらくは旧耐震構造のマンションに入札が少ない傾向があったが、2013年は旧耐震構造マンションにも、好立地物件を中心に大量入札があった。6月25日開札では、新宿区の3LDKの旧耐震構造マンションに46本もの入札があり、売却基準価額の2倍を超える価格で競落された。中古マンション一般市場の好調ぶりが競落競争に拍車をかけたようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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