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東京競売ウォッチ

2024年01月23日

第682回 2023年東京地裁競売市場の総括

 昨年2023年は東京地裁本庁の競売開札対象物件は表1のとおり前年比155物件(22.27%)減と大幅に減少した。売却率は98.89%と2022年比0.68%低下したものの、ほぼ完売は続いた。なおこの東京地裁の対象物件541件はコロナ禍で4か月裁判所が閉まった2020年を50件も下回っており本トピックス開始以来最低数である。そして表2を見ると同じ首都圏でも東京だけが突出して減少している。また表3のとおり愛知や大阪では逆に増加していて、日本主要都市でも東京の激減が際立った。これは東京の地価上昇の大きさがその背景にあるだろう。

 また一方で表4を見ると落札価格の売却基準価額に対する上乗せ率が2023年は前年比低下したのが分かる。これは東京の不動産相場が天井を付け始めた予兆のようにも思う。

 さて今年も前半はここ半年の配当要求終期の公告(差押え)件数を見るところ東京地裁では対象物件の反転増加はないように思う。増加基調になるとすれば秋以降となりそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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