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東京競売ウォッチ

2022年3月22日

第594回 板橋マンションが一番人気!!

 3月9日開札では開札対象物件数が22物件とかなり少なくなった。開札は昨年(2021年)年間19回であったので、この22物件というのは年420件弱のペースということになり、これは昨年実績(734物件)の4割超減である。対象物件数の減少が止まらない現状も反映して競落価格水準も高くなっている。

 この日の一番人気は東武東上線「東武練馬」駅徒歩約5分に立地する専有面積約20坪の3LDKの部屋であった。築35年とやや古い物件にも拘わらず31本の入札を集めた。最近の周辺マンション取引相場から推して再販価格は3800万円程度が妥当とも考えられるところで、競落価格は3735万円であった。売却基準価額2534万円に対し47%超の上乗せであり、再販価格は4200万円以上を見込んだ上の落札であろうと推察される。

 これは専有面積坪単価で210万円以上に相当する。これはもし同じ立地で新築分譲した場合、その分譲価格は専有面積1坪単価300万円超でないと釣り合いが取れない。 しかし最寄り駅徒歩5分という条件ではそれも十分に考えられる価格水準なのであろう。本競落物件の入札締切はウクライナへのロシア侵攻後であることから、その影響があるやもと考えたが、ほとんど感じられない結果となった。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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