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東京競売ウォッチ

2010年7月19日

第50回業者の用地仕入れが活発化

 最近、マンションデベロッパーの用地仕入れが活発化しているとの話をよく聞くようになってきた。リーマンショック以降、急激な売れ行き鈍化から用地仕入れを抑制し、在庫販売に注力してきたマンションデベロッパーが、在庫整理に目処がつき、新規事業のための土地を買い始めている。

 7月6日の開札では、東武伊勢崎線「梅島」駅徒歩8分に立地する更地が対象になった。この土地は南西側で幅員14.5mの公道(旧日光街道)に面する約168坪である。規定容積率が400%あり、2辺で狭い公道に面するため道路斜線で建築に制約はあるものの、マンション、特にワンルームタイプの事業用地として適する。

 実際、の土地の所有者は、破綻してしまったワンルームマンションの開発業者であった。この土地の売却基準価額は1億3,662万円であったが、これに対し10本の入札があり、最高価2億円にて落札されていった。

 そして、落札したのは、やはりワンルームタイプを得意とするマンション開発業者であった。

 またこの日、日比谷線「広尾」駅徒歩14分に立地する更地(コインパークが運営中の延べ約63坪)で、1棟共同住宅の建設も可能な用地が開札になった。売却基準価額が1億2,748万円であったが、これに対し入札8本があり、1億7,011万円強にて業者に落札されていた。

 業者の事業用地の仕入れが活発になってきたのが競売市場でもわかる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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