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東京競売ウォッチ

2017年5月23日

第369回 城南地域マンション大量入札!!

 都心部や城南地域の中古マンションについては、今年に入って売り出す物件数は対前年で、減少気味である。しかし一方では、成約件数は逆に対前年比で増加している。

 これはつまり、東京の好立地マンションについては品薄を背景に売れ行きが良いということを示している。

 そんな中4月25日開札で城南地域のマンションで大量入札があった。

 その物件は、東急目黒線「不動前」徒歩約3分に立地する専有面積約20坪の3LDKの部屋であった。15階建ての中で低層階である2階に位置するも、部屋であるところは優れている。また平成11年8月築と古くないのも利点である。

 この物件の売却基準価額は2730万円でであったが、これに対し入札は41本入り、最高価は5042万円強であった。所有者占有であり、滞納管理費等が無いので、取得総コストは5200万円程度で収まるだろう。

 競落者は再販業者と思われるが、現在の市場の販売状況からすると、再販価格は5600~5800万円と予測される。とすれば、競落物件について、設備関係のリニューアルなどを必要とすれば、かなり再販利益が小さくなるだろう。

 しかし、先に述べたように売り物件が品薄気味の中で、当該物件の高値での再販が可能との見立てがあったのだろう。それが、この入札価格設定となったように思う。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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