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東京競売ウォッチ

2011年5月31日

第92回立地条件良いマンション

 連休明け最初の開札となった5月17日、入札動向が気になるところであったが、特別売却に回った物件は3物件のみで、引き続き活況であった。

 そしてやはり、入札の中心はファミリー型の中古マンションで、この日、最高の入札本数を集めたのが、JR総武線「新小岩」駅徒歩約3分、築14年のマンション。間取りは3LDKで、専有面積は約19.3坪であった。この物件の売却基準価額は1,788万円で、これに対し32本の入札があり、最高価2,907万円強にて落札されていった。

 震災後はやはり、築年の浅い物件により人気が集まる傾向は見られるが、立地によっては、そうとは限らないことがある。

 この日、築52年のマンションに多くの入札が集まった。そのマンションは東急東横線「代官山」駅至近に立地する。対象住戸は1LDKで、専有面積20坪弱であった。売却基準価額1,280万円のところ、16本の入札を集め、最高価約3,460万円という大きな上乗せ率で落札されていった。

 さらに、このマンションは古いだけではなく、その敷地利用権が所有権や借地権ではなく、使用借権であるというマイナス要因もあった。使用借権の評価は、評価書上では、所有権の20%であったが、結果的に売却基準価額を大きく上回る落札となった。

 また同じくこの日、やはり築40年超のマンションに10本の入札があり、売却基準価額の1.6倍超で落札された。この物件は都営新宿線「曙橋」徒歩約6分に立地している。立地条件の良さは大きい。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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