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東京競売ウォッチ

2025年02月25日

第733回 外国人所有タワーマンション競売

 都心のタワーマンションが外国人による高値買いが増加しているという話は巷間よく聞かれる。2月5日開札では、約6年前にトルコ人により買われたタワーマンションが競売になった。その物件は東京メトロ有楽町線「辰巳」駅徒歩約9分に立地する「キャナルファーストタワー」である。対象となったこの物件は築17年で42階建の24階部分、専有面積約22.5坪の2LDKの部屋である。売却基準価額が3184万円に対し入札はこの日最高の32本あり、最高価7220万円にて再販業者が落札した。

 ところでこの物件の所有者は住宅ローン利用で購入し家族で住んでいたが、所有者だけ母国トルコへ2年近く前に帰国した。結果現在残された配偶者など家族で占有している。購入当時住宅ローンが利用できたので、所有者は日本で仕事をしていたと思われる。しかし占有者の家族は日本語を解さないと、現況調査報告書に記載されている。占有者は法的には占有補助者であって、引渡命令が発令される相手方であるので、最終的には強制執行による占有確保が落札者は可能ではある。

 しかし、落札者としてはできれば示談による円滑な明渡を求めたいところだろう。しかしコミュニケーションが取れない相手だけにかなり難しいように思う。就学児童もいるようにも事件記録では感じられるので、その点でも難しさはあるだろう。今後このような外国人所有物件の競売の出現はおそらく増加してくると思われる。それは占有確保の新たなハザードを生むことになる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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