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東京競売ウォッチ

2012年11月20日

第158回 中野のワンルームに入札25本

 11月1日開札では、1番人気がワンルームマンションであった。

 その物件は、JR中央線「中野」駅徒歩約5分に立地する築28年で、専有面積約5.5坪の部屋である。

 この部屋には抵当権設定登記後に占有開始の賃借人(明渡6カ月猶予対象者)が賃借中であり、賃料は月額6.9万円で、年収が約83万円である。これに対し、支出は管理費等が年10万円強、固定資産税等が3万円強で計13万円強なので、実質年収は約50万円である。

 一方、売却基準価額は493万円で、これに滞納管理費が約66万円あるので、合計すると約560万円になる。よって、売却基準価額で競落した場合は実質年9%弱の計算である。

 そんな条件のもと、このマンションへの入札は25本あり、競落価格は768万円であった。この競落価格から計算すると、取得コストは約835万円になり、利回りにすれば、年6%弱の水準になる。

 中野という好立地や、住戸の存する位置が11階建ての10階という好条件であったことも、多くの入札を集めた要因かとも思える。

 ただ、この日、この物件が一番人気になったことからもわかるように、このところワンルームマンション人気がやや高まっているように思われる。

 また好立地で、築年が新しいワンルームに対し、再販業者が、かなり高い上乗せ率で競落する例も目に付き始めている。ちなみに、この日も池袋の築6年のワンルームマンションが、70%を超える上乗せ率で再販業者に競落されている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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