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東京競売ウォッチ

2026年03月24日

第784回 赤坂地上権マンションに入札18本

 3月11日開札では港区赤坂8丁目にある築約30年の「パルティール赤坂」の2階住戸が開札対象となった。専有面積約23坪の3LDKの対象住戸には9171万円の売却基準価額が設定された。これに対しこの日2番目に多い18本の入札が入り、最高価1億4429万円にて再販業者が落札した。

 落札価格の専有面積坪単価は約627万円であるが、今年に入っての同マンションの成約事例の専有面積坪単価よりやや低い程度である。競落会社としては内装を十分に施し付加価値をつけて高値販売を目指すのだろう。

 ちなみにこのマンションの敷地はカンボジア王国が所有しており、その敷地の権利は地上権(普通借地権)である。地上権なので、第三者への譲渡は地主の承諾は不要であることもあり、所有権と変わらぬ流通価格となるようだ。同じマンションでレインズ上では専有面積坪単価が900万円超の部屋もあり、一等地億ションの相場が見えにくくなっている。

 ところで競売不動産には抵当権などの実行によるケ事件とそれ以外の判決に基づく強制競売であるヌ事件がある。そして多くを占めるケ事件より少ない割合であるヌ事件は開札前の取り下げとなるものが多いのが特徴である。3月11日開札では入札期間公告対象が41物件あったものの、そのうち17件が開札日前に取り下げとなった。そして17件の取り下げのうち12件がヌ事件であった。ヌ事件への入札は取り下げ確率が高いことを認識したうえで臨みたい。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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