リアナビ

スペシャリストの眼

東京競売ウォッチ

2010年7月26日

第51回戸建用地の仕入れ活発化

 新築マンションの販売が好調であるとよく聞くようになったが、郊外の戸建ても販売好調のようだ。

 7月15日開札では、つくばエクスプレス線「八潮」駅徒歩21分に立地する延144.5坪の駐車場が開札になった。南東側で幅員7mの公道に面する整形地で、建売用地として都合が良い。この土地の売却基準価額は3,882万円であったが、これに対し入札は16本入り、最高価6,430万円にて業者が競落していった。これは路線価に対し、約13%低い水準である。ただし、この土地は商品化にあたっては位置指定道路の整備など施し、分割しなければならない。そういったことを考慮すれば、減歩率は20%近くなるだろう。したがって、路線価水準での取得ということだろう。

 また、郊外の戸建用地のほか、城西地域の古アパートにも戸建用地への転用を目論んで入札されるケースがある。

 7月15日開札では、東急東横線「都立大学」駅徒歩8分に立地する古アパートが対象であった。土地は北側で幅員6mの公道に面する約58坪で、建物は築約40年の鉄骨造で、売却基準価額は6,345万円であった。建物には2名の借家人がおり、最先の賃借権者である。それなので、更地にするには明渡し交渉コスト、期間はかなり見なければならないだろう。

 しかし、入札は19本あり、最高価1億1,000万円にて落札されている。業者の仕入れが活発化してきたようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


BackNumber

コラム一覧

山田純男 東京競売ウォッチ

2024年05月14日



Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.