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東京競売ウォッチ

2017年10月3日

第386回 戸建人気が背景か、分割可能土地に57本

 昨今都心マンションの価格上昇から一戸建ての人気が高まっているとの報道があるが、それを背景に戸建分譲会社が活発な仕入れ競争を行っているようだ。9月21日開札ではJR総武線「平井駅」徒歩約4分に立地する一戸建てに大量入札があった。一戸建てと言っても建物は築58年の木造で、取り壊し費用分マイナスの評価となってしまうものである。

 土地は南東側で幅員6.4m、南西側で幅員5.5mの公道に面した整形の角地で、面積は約45坪ある。この物件が所在する江戸川区は新たな戸建建設の場合敷地の最低面積が決められており、それが70㎡、約21坪である。この対象物件は角地でもあり、まさに2棟建設において好都合と言える。

 そんなこともあってか、売却基準価額4336万円に対し、入札は57本が集まり、最高価7390万円にて落札されていった。ちなみにこの物件の路線価は1坪約96万円である。競落された価格では1坪約164万円であるので路線価水準の約1.7倍に相当する。かなり強気に思うが、駅から近い立地ということもあり、分割可能であるとともに希少な用地であったということであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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